2017年3月28日火曜日

時の重み


これだけ安価で使いやすい工業製品が大量に出回っているのに、なぜわざわざ手作りするのか?

そう聞かれることが、やっぱりたまにあります。


いろいろ理由はあれども、一番自分にとって大事にしてきたことで、一番営業っぽくないのは、

「時の重みに負けることのない品を作りたいから。」


自分自身、一人の作り手として、売り手として、そして使い手としても思いますが、作り手や売り手が、効率や利益を優先して、短命で消費され、次から次へと買い換えてもらうようなものづくりをしていると、使い手も自然と、そういうものだとしか思わなくなり、そういう使い方しかしてくれなくなる。


時の重みに耐えられないものにとっては、時を経るごとに刻まれるものが、傷みや汚れ、破損でしかないかもしれないけれど、時の重みを身にまとい、なお一層風格を持つものとなってほしいとの願いを込めるには、作る時から、それ相応の意志と時を刻んでいくことも、ひとつの方法なのではないかとも、思うのです。

変わらずにあり続けるのではなく、変わり続けることで変わらないように。


一人の作り手としても、また一人の売り手としても、そして一人の使い手としても、便利さに流され、溺れてしまわぬように、いたずらに消費し続けてしまわぬように、どこかで踏みとどまるものが、ついつい流されやすい自分には、やはり必要なのではないかと思います。


日々繰り返していくことに、自分自身の時間に、向かい合えるような、そんな品を作り、そんな品に出会う。

そんなものづくりも、自分にとってのひとつの在り方ではないかと思い、またそうあれたらと、願っています。


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