2011年5月11日水曜日

鉄のフライパンの使い方




鉄のフライパン、というと、「焦げ付きやすいのでは?」とか、「お手入れが面倒」との印象をもたれている方も多いかもしれませんね。
先日のイベントの際にも、お客様といろいろお話をさせて頂いても、やはりそうなのかな、と思いました。

でも、意外とそんなこともありませんよ。
そんなわけで、今回は、鉄のフライパンの使い方について、もっと知って頂ければと、簡単にご案内したいと思います。

鉄のフライパンは、最初は少し青みがかった酸化被膜で覆われています。いわゆる黒皮がついている状態です。
この表面に、使い込むことで油が良くなじむことで、錆びにくく、また焦げ付きにくくなっていきます。



使い始める前に。


まず最初に、ご購入頂いてから、初めてお使いになられる際には、ほこりなども付着していますので、柔らかいスポンジなどに中性洗剤をつけて軽く洗い、水またはお湯でよく洗い流し、水気を良くきって下さい。

ここから先は、毎回お使いになる時の手順と同じですよ。


最初は中火にかけ、少しフライパンを温めてから強火にし、少し白い煙が出るくらいまで空焼きします。そうしたら、油をほんの少し入れ、全体によくなじませてください。余分な油はオイルポットなどに戻し、フライパンの表面をキッチンペーパーなどで拭き取ります。

調理の前に、「空焼きで鉄板を高温にし、油をなじませる」と、調理の際にもフライパンに焦げ付きにくくなりますよ。
ただし、少し白い煙が出るくらいですと、フライパンもかなりの高温になっていますので、濡らしたふきんをたたんで脇に用意しておき、その上に一度フライパンを置いて、余分な熱を取ってから調理した方が良いかと思います。

鉄のフライパンは、熱の伝わり方や蓄熱性も高いので、最初のうちは、従来のフライパンに比べると、火加減が強めに感じるかもしれません。
徐々に慣れていきながら、ちょうど良い火加減を見つけて頂ければ幸いです。




目玉焼きも、このとおり、するっと。カリカリ具合もいい感じです。


さて、調理の後は、洗い物。

とても良く言われていることが、「鉄のフライパンは水で洗うだけ。洗剤は使ってはいけない。」 との話。
でもこれって、本当でしょうか。諸説あるので、正しい、間違っているとはあえて言いません。
が、私は個人的には洗剤を使って、スポンジなどで洗っています。

私が参考にしたのは、ほぼ日刊イトイ新聞さんの、こちらの記事。
[ほぼ日刊イトイ新聞 主婦と科学。 研究レポート32 鉄のフライパンとサビの科学。]

ここでは、NHK「試してガッテン」で放送されていた、「中国料理の達人が『洗剤を使って洗い』『乾かしもせず』『そのまま朝まで伏せておくだけ』(ほぼ日より引用)」との内容を紹介しています。
秘密は、「油脂が重合した膜」
ぜひ、この記事、読んでみてください。

ちなみに、前述の、「調理の前に、最初にフライパンを高温に熱しておく」ということの理屈は、同じく、ほぼ日さんの[主婦と科学。研究レポート33 焦げの科学。]が参考になりますよ。


しっかりと使い込み、お手入れされたフライパンは、洗剤で軽く洗うくらいなら、表面に出来た油脂の膜は、ちょっとやそっとのことでは落ちません。
それなら、油脂の膜は落ちなくても、調理の汚れはしっかり落としておいた方が、衛生的にはいいような気もします。

もちろん、様々な説やご意見があると思いますので、実際に使われて、感覚的・経験的によりよいと思われる使い方、お手入れの仕方を見つけて頂ければと思います。
あくまでも、ご参考のひとつとなればと思います。


さて、そんなわけで、使用後は、なるべく早く、洗ってください。
調理後の料理を、フライパンに入れたままで長時間保存したり、水に濡れたままでの長時間の放置は、出来る限りお避け下さい。

洗う際には、中性洗剤を用いて、柔らかいスポンジなどで洗うか、たわしなどで軽く水洗いをしてください。ささらを使って洗う、というのも、昔からよく言われていますね。
この時、酸性の洗剤や、塩化物を含んだ溶液などは、錆を発生させやすくなりますので、あまりお使いにならないで下さい。
金だわしなどであまり強くこすりすぎると、せっかくの油脂の膜や酸化被膜(黒皮)も削り落としてしまうことがありますので、ご注意下さい。(銀色に地金が見えている状態が、一番錆びやすくなってしまいます。)

油脂の膜がしっかりついていたり、日々頻繁にお使いの場合には、前述のように洗いっぱなしでも良いようです。その場合でも、なるべくなら、水気はよく切り、拭き取っておく方がお勧めですが。
私は一応、水洗い後にも、再度空焼きをして、油を少しなじませ、両面を拭いておきます。次の使用までしばらく間が開くような、保管の際にもその方が良いでしょう。



もしも焦げ付いてしまって、表面に焦げ付きがひどかったら。

金だわしなどであまり強くこすりすぎると、せっかくついた油脂の膜や酸化皮膜(黒皮)も削り落としてしまうことがありますので、ご注意下さい。(銀色に地金が見えている状態が、一番錆びやすくなってしまいます。)

個人的にお勧めなのは、フライパンに薄く水やお湯をはり、火にかけて沸騰させること。焦げ付きもふやけ、フライ返しなどで簡単にこすり落とすことが出来ます。
空焼きで焦げ付きを炭化させて、やはりフライ返しなどでこすり落とすという方法もあるようです。
どうぞお試しあれ。



もしも錆びてしまったら?

まずは錆を、金だわしや紙やすりなどで錆を良く落としてください。
一度真っ赤になるまで熱すると、錆も落ちやすくなったりもしますが、一般のご家庭ではちょっと危険かと思いますので、自己責任で十分なご注意を。
鉄の銀色の地肌が見えるくらいに錆が良く落ちたら、再度空焼きをして、青い黒皮(酸化被膜)をつけて表面を保護し、油をよくなじませてください。




いかがでしょうか?
「やっぱり手間」と思われてしまうでしょうか・・・。
改めて文章にすると、長々となってしまいますが、どれも日々の暮らしの中で、本当にほんの少しのひと手間。
自分の道具、自分のフライパンを育て、使いこなして、料理を美味しく、暮らしを豊かにする。そんなひと手間を楽しみ、そんな愛着を持って長く使って頂ける道具に、めぐり合って頂ければ幸いです。


フライパンの表層にある酸化被膜と油の焼付けによって出来る重合した層については、こちらの記事もご参照頂ければ幸いです。
「火造り鍛造フライパンの表層について」


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